2026年のWBC日本代表30人目のメンバーとして、レッドソックスの吉田正尚選手が選ばれました。
彼の打撃は具体的にどのようにすごいのかを解説していきます。
目次
1) いちばんの核:選球眼+コンタクト能力が“セットで高い”
吉田のバッティングの鍵は 低いスイング率(必要以上に振らない)+低い追いかけ(O-Swing)+高いコンタクト率 だと言われています。
実際、吉田は一貫して Contact% / Z-Contact% が高め、SwStr%(空振り率)が低め のタイプです。
どうしてこれができるのか?
- “見てから振る”のではなく「振らない判断が速い」
ボール球を早い段階で捨てられると、ストライクへの反応に脳のリソースを割けます(結果、スイングが遅れにくい)。 - ゾーン内は“当てにいく”ではなく「最短で芯に当てる」
コンパクトな軌道でミート点がブレにくいので、速球の差し込みにも強い。
2) MLB投手の“速球”に強い(ここがMLB適応の中心)
Statcast(Baseball Savant)の球種別成績を見ると、少なくとも2025年のサンプルでは4シームに対してBA .338 / SLG .494 / wOBA .408、Whiff% 5.8、K% 7.0と、速球に対して「当てる+空振りしない」傾向が数字で出ています。
技術的なポイント
- バットが遠回りしない(始動〜インパクトまでが短い)
速球を“待って打つ”というより、コンタクトに必要な最短ルートを先に作っておき、最後に角度だけ合わせるイメージ。 - 頭(視線)と体幹がブレにくい
高速の球ほど、頭が動くとミート点がズレます。吉田は打球方向(特に逆方向)でも姿勢が崩れにくいのが強み。
3) 逆方向に“強い打球”を打てる=外角を簡単に捨てない
吉田は「外角=当てるだけ」になりにくく、外角を逆方向にライナーで運べるのが大きいです。これは投手から見ると致命的で、外一辺倒の攻めが効きづらい。
技術的なポイント
- 手元を体の近くに保つ(いわゆる“Hands inside”)
バットの根元(グリップ側)が体から離れにくいと、外角でもヘッドが遅れて出て、逆方向に強く打ちやすい。 - “押し込む”トップハンド(上の手)の使い方
逆方向への強い打球は、下半身だけでなく上半身(特に上の手)の押し込みが必要。ここが上手い打者は外角の対応範囲が広がります。
4) “フラット寄りのスイング”でラインドライブを量産しやすい
Bat Trackingの指標には Swing Path Tilt(スイング平面の傾き) や Attack Angle(インパクト時のバットの上向き角) があり、「フラット↔アッパー」を角度として扱います。
吉田の可視化映像では、ある本塁打の例で Attack Angle 8.4°、別例で Attack Angle 14° のように表示されています。
技術的なポイント
- “極端なアッパー”より、ボールの軌道に長く重なる(ゾーン滞在が長い) 形になりやすい
- だから「角度を付けて上げる」より、強いライナーを広角に打つのと相性がいい
- 速球に振り遅れにくいのは、ここでも説明できて(上に大きく振り上げるほど、タイミングがシビアになりがち)
まとめ:吉田正尚の打撃の“すごい点”
- 選球眼(追いかけない)とコンタクト力(空振りが少ない)が同時に高い
- 速球に遅れにくいコンパクトさがあり、球種別でも4シーム相手に強さが数字で出る
- 外角を逆方向に強く打てるので、投手が「外で逃げる」攻めを続けにくい
参照:【3試合連続のマルチ安打!吉田正尚 全打席ダイジェスト】レッドソックスvsブルージェイズ MLB2025シーズン 9.24
