メジャーリーグで言われる「フライボール革命」といえばバレル(Barrel)が真っ先に挙がりますが、理論を支えている指標は他にもいくつかあります。
単に「高く上げればいい」というわけではなく、「いかに効率よく、長打になる確率が高い打球を打つか」を数値化するための重要なキーワードを大きく4つに分けて整理しました。
これで、あなたの中での「フライボール革命」も完遂です!一つ一つ、細かく見ていきましょう!
1. スイートスポット率(Sweet Spot %)
バレルゾーンは「速度」と「角度」の組み合わせですが、こちらは「角度」だけに注目した指標**です。
- 定義: 打球角度が約 8~32度 の範囲に入った確率。
- 重要性: ゴロやポップフライを避け、最も安打や長打になりやすい角度で打てているかを測ります。速度が足りなくても、この角度で打てば安打になる確率はぐっと上がります。
2. ハードヒット率(Hard Hit %)
角度が正しくても、打球が弱ければ外野手に捕まってしまいます。そこで重要になるのが「力強さ」です。
- 定義: 打球速度が 98mph(約158km)以上の打球の割合。
- 重要性: スタットキャスト(解析システム)のデータでは、この95mphを境に、安打率や長打率が劇的に上昇することが証明されています。バレルゾーンに入るための「最低条件」とも言える指標ですね。
3. アタックアングル(Attack Angle / 入射角)
これは打球の指標ではなく、「スイングの軌道」に関する指標です。バレルを生み出すための「原因」にあたります。
- 定義: バットがボールに当たる瞬間の、スイングの上下角度。
- 重要性: 従来の「上から叩け(ダウンブロー)」ではなく、ボールの軌道に対してわずかに下から入れる「8~12度程度のアッパー気味」ことで、バレルゾーンに乗る打球を打ちやすくします。
4. xwOBA(Expected Weighted On-Base Average)
「結果」ではなく「内容」を評価するための究極の指標の一つです。
- 内容: 打球速度と角度から、「本来ならこれくらいの結果(得点貢献)になっていたはずだ」という期待値を算出したもの。
- 重要性: たとえ野手の正面を突いてアウトになっても、バレルゾーンでハードヒットしていればxwOBAは上がります。フライボール革命を実践する選手が「自分のアプローチは間違っていない」と信じるための心の支え(裏付け)になる数値です。
指標の相関図
| 指標 | 役割 | 目的 |
| ハードヒット率 | エンジン | 打球にエネルギーを与える |
| スイートスポット率 | 照準 | 打球を適切な角度に飛ばす |
| バレルゾーン | 理想 | 上記2つが組み合わさった最強の打球 |
| アタックアングル | 手法 | バレルを打つためのスイング作り |
💡ちょっとした補足:
最近では、フライボール革命に対抗し、守備側が「外野を深く守る」「高めの速球でフライを上げさせる(ポップフライを誘う)」といった対策を強めています。そのため、最近は単なるフライではなく、よりライナーに近い「低めのバレル」を狙う傾向も出てきています。このあたりは、何か一つのアイディアが実践されれば、すぐに対抗策が講じられるというデータ野球の面白さがありますね。
いかがでしたか?
特に興味深いのは、例えアウトになっていても、野手の正面に飛んだのは「結果」でしかなく、打撃自体の評価は高くなるという、「xwOBA」の指標ではないでしょうか。
提唱されてから既に10年。「フライボール革命はバレルゾーンが重要だ」というだけでなく、こうした細かな指標の積み重ねによって、打撃技術やその論拠自体が刻々と変わっていくバッティング理論に、これからも目が離せませんね!
