【徹底解説】大谷翔平のパワーの裏にある“上手さ”──スイングが崩れない秘密

WBCでの大谷翔平の起用法について、ドジャースのロバーツ監督が「大谷はWBCで投げない」と明言していることから、DHでの起用がメインになると言われています。
しかし投手として参加できないことを加味しても、打者として起用するだけの価値が大いにあるのが大谷の凄いところ。
そんな大谷の打撃は具体的に何が凄いのか、解説していきます。

目次

1) バットスピードが極めて高いのに「当て方」も崩れない

強打者は大きく分けて

  • 速く振れる(=飛ばせる)
  • 速く振っても芯で捉えられる(=再現性がある)
    の両方が必要です。

StatcastのBat Trackingは、単なる“打球速度”だけでなく、Bat Speed(振る速さ)に対してどれだけ効率よく打球速度を引き出せたかを Squared-Up Rate などで評価します。大谷はこの「速く振って、ちゃんと当てる」側の指標が出やすいタイプです。 

技術的には

  • スイング中に上体がほどけず、回転の芯がブレにくい
  • インパクトでバット面が暴れにくく、同じ当て方を繰り返せる
    → だから“強く振る=当たらない”になりにくい、という構造です。 

2) “深いコンタクトポイント”で、速球にも変化球にも対応幅を持てる

MLBの新しい計測では「打者がホームベースよりどのくらい前/後で当てているか(コンタクトポイントの深さ)」も追えるようになっていて、MLB公式は大谷を特に“深いコンタクトポイント”を持つ打者として取り上げています。 

これが何を意味するかというと、ざっくり

  • 遅くまで見て(=球を長く見て)振れる
  • そのうえで、引っ張りも逆方向も成立させられる
    という“時間の余裕”です。

技術的には

  • トップ〜始動で形を早めに作り、最後は「奥行き」で微調整
  • バットが遠回りしない(手元が前に突っ込まず、体の近くを通る)
    → これが深いポイントでも強い打球を作れる土台になります。 

3) 股関節〜体幹の回転効率が高い(“溜め”を作って一気に出す)

大谷のパワーは「筋力」だけでなく、回転運動の効率が大きいです。一般に、強打者は

  • 下半身で地面反力を作る
  • 骨盤→胸郭→腕→バットへと順番に力を伝える
    (いわゆるヒップ・ショルダー・セパレーション=骨盤と胸の“ねじれ差”を使う)
    ことで、同じ力でもバットに大きな速度を出します。 

大谷のスイングを“技術”として言うなら

  • 着地(フットダウン)時点で「溜め」を残し
  • そこから回転を解放して、インパクトでバットがまだ加速している状態を作る
    このタイプの説明がよく当てはまります。 

4) スイング軌道の設計が「打球を上げるための無理」をしていない

近年は“フライボール革命”で極端なアッパーが増えましたが、極端なアッパーはタイミングがズレると空振り・凡打も増えがちです。

Statcastは Swing Path(軌道)やAttack Angle(当てる角度)など、スイング平面の情報も整理しています。大谷は「上げるために無理やり煽る」より、速いバット×適正角度でバレル(理想的な打球角と打球速度の組み合わせ)を作るタイプとして説明しやすいです。 

5) いちばん地味で強い:同じ準備から“複数の打ち方”に分岐できる

大谷の怖さは、投手から見ると

  • 「速球待ちに見えるのに、変化球も拾われる」
  • 「外で逃げても、深いポイントで逆方向に飛ばされる」
    みたいに、読みを外しにくいことです。

これはフォームを大きく変えるのではなく、

  • 始動とトップを毎回大きく崩さず
  • 最後の局面で“奥行き・角度・ポイント”を変える
    同じスイングから調整しているのがポイント。Bat Trackingの指標が増えたことで、こうした「速く振っても崩れない/芯で捉える」要素がより説明しやすくなっています。 

まとめ

大谷翔平が打撃で成績を残せるのは、単にパワーがあるからではなく、

  • 超高バットスピード
  • 深いコンタクトポイントでの対応幅
  • 股関節〜体幹の回転効率(溜め→解放)
  • 無理のない軌道設計でバレルを量産しやすい
  • 同じ準備から微調整で分岐できる再現性

この“技術の積み重ね”で、強い打球を高確率で作れているからです。 

参照:【現地実況】ドジャース・大谷翔平が3本塁打&7回途中無失点10奪三振で勝利投手と伝説のパフォーマンス!「史上最高の選手による史上最高の試合」

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