【WBC侍ジャパン選出】沢村賞投手、伊藤大海の「ココがスゴい!」を徹底解説──“奪える”ストレートが最大の武器

伊藤大海の「技術的に凄いところ」は、ざっくり言うと ①ストレートを“決め球”として使える質と勇気 ②新球種(縦スライダー)を武器化する設計力 ③球種の多さを“役割分担”で破綻させない制球・配球 の3つが柱です。数字と投球術の両面から、具体的に分解します。

目次

1) ストレートが“見せ球”じゃなく「奪う球」になっている

伊藤は多彩な変化球投手のイメージが強い一方で、近年はストレートで空振り・三振を取りにいけるのが大きい。

  • 直球の平均球速が 150.1km/h(記事時点)まで上がり、
  • 直球の奪空振り率 12.6% がパ・リーグ規定到達者でトップ
  • さらに 2ストライクからストライクゾーンに直球を投げ込む割合が56.3% まで上昇。
  • 奪三振62のうち 38がストレート(=「決め球としての直球」)。 

普通は追い込むほど「ボール球で釣る」比率が上がります。そこを伊藤は“ゾーン内の直球”で押し切れる。
これが何を意味するかというと、打者が「変化球待ち」に寄せにくくなるんです。変化球が多彩でも、最後にストライクでねじ込まれるなら、打者はカウントが進んでも踏み込めない。

2) 新球種「縦スライダー」を“右打者用の勝ち筋”にした

2025年に目立つ進化として報じられているのが、縦スライダーの導入と即戦力化

  • 縦スライダーは被打率 .100
  • ゴロ割合 47.6% と“ヒットになりにくい打球”を量産、
  • 右打者相手だと奪空振り率 26.2%(リーグ平均比較でも高水準)と、右に特に刺さっている。 

横のスライダーは「逃げていく」ぶん、見極められると四球やカウント悪化に繋がることもあります。
そこに縦方向の変化が加わると、打者は

  • 横に逃げる球(スライダー)をケアしながら
  • 縦に落ちる球(縦スラ/スプリット)もケアしつつ
  • 最後はゾーン内の直球も来る

という“同時処理”を強いられます。伊藤はこの負荷を、右打者への勝ち筋として組み込めている。

3) 球種が多いのに「器用貧乏」にならない(役割が分かれている)

伊藤は2023年以降の3シーズンで計10種類の球種を投げている、と報じられています。 
ただし重要なのは「多いこと」そのものじゃなくて、状況ごとに役割が分かれていること。

公開データ(球種別の空振り率など)を見ると、球種ごとに“取りたい結果”が違うのが見えます。たとえば(※サイト側も参考値として注意書きあり)、

  • 縦スライダー:空振りを取りやすい(参考値で空振り率が高め)
  • スプリット:ストレートの軌道から落として仕留める
  • スライダー:カウント・コースで見せ方を変えられる 

ここに「ゾーンで勝てる直球」が乗るから、配球が“散らかる”のではなく、打者の狙いを順番に壊す形になります。

4) 四球が少なく、長い回で“再現”できるのがエース技術

伊藤の凄さは一発のエグい球だけでなく、同じ出力・同じコマンドを試合を通して繰り返せるところにもあります。

2024年の指標では、
BB% 5.5%、K/BB 4.128、WHIP 1.072 と、走者と四球で崩れにくい土台が出ています。 

国際大会でもシーズンでも、結局いちばん強いのは「荒れないのに、奪える」投手。伊藤はそこに寄ってきています。

5) “握りを変えて直球を強化”できる=調整力が高い

上の直球進化は、偶然じゃなくて「握り変更」を本人が明言→数値が向上、というストーリーで語られています。

これ、技術的にはかなり重要で、投手として

  • 直球の質(回転・伸び感・ゾーン内での強さ)を
  • フォームを大崩しせずに
  • “握り”という微調整で上げられる

微差を積み上げる能力が高い、ということだからです。

参照:伊藤大海『エースの意地と気迫…1勝以上の価値がある 9回129球7安打無失点11奪三振!』《THE FEATURE PLAYER》

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