西武・平良海馬につづき、怪我によりWBC辞退となってしまった阪神・石井大智は、2025年シーズンには53登板で防御率0.17という異常なまでの数値を叩き出し、50試合連続無失点という前人未到の大記録を達成した、日本球界を代表するリリーフです。
石井の「凄さ」を技術面で表現するならば、“速い球で押す投手”というより、「落ちる球と動く球を、同じ腕の振りでストライク付近に集めて、打者のスイングを壊す投手」です。しかもそれを僅差・満塁みたいな局面で再現できるのが強い。
そんな石井の凄さを深掘りしていきます。
1) いちばんの武器は「フォーク(落ち球)の質」と“作り方”
近年の石井の象徴はフォークで、本人の調整としてもここを最優先で磨いています。
- 2026年1月の報道では、従来のフォークをサイドスピン気味→トップスピン気味に変えて「落差を増やした」とされています。
技術的にはこれ、- “横回転でズレながら落ちる”より
- 縦方向に強く沈む(落下が見える)
方向に寄せる、ということ。
打者は「見送れる軌道」だと我慢できますが、縦に落ちる球は“ストライクに見えてバットだけが落ちる”ので空振り・凡打になりやすい。
- 2025年の球種別データでも、フォーク系が被打率が極端に低く、奪三振が出ている形になっています(※独自集計サイトの参考値)。
→ 石井のフォークは「カウントを取りにいく球」というより、決め球としての完成度が高いタイプ。
2) フォークが効く理由は「同じ腕の振り」で直球と見分けにくいこと
落ち球は“球種そのもの”より、直球と同じ腕の振り・同じ高さの出所で投げられるかが命です。
- 日刊スポーツはキャンプのシート打撃で、石井が直球で佐藤輝明を打ち取ったこと、そしてフォークを試行錯誤していることを報じています。
ここがポイントで、直球でカウントを作れたり押し込めたりするから、打者はフォーク待ちができない。結果としてフォークが“振らせる球”になる。
3) 「シンカー/ツーシーム系」で芯を外す設計ができる
石井は落ち球だけでなく、動く速球系(シンカー系)も持っていて、これが配球の幅を作ります。球種の言及としてもストレート、シンカー、フォークなどが挙がります。
技術的には、
- フォーク:縦に沈ませて空振り・ゴロ
- シンカー系:バットの芯をズラして詰まらせる(ゴロ・弱い打球)
- 直球:ゾーン内で押して「どれにも対応しないといけない」状態にする
この3点セットで、打者の最適解(待ち球)を消します。
4) いちばん“職人っぽい”のは制球:リリーフで四球を出しにくい攻め
NPB公式の通算成績でも、登板数が増えたシーズンで四球が大きく膨れにくい傾向が見えます。
リリーフの技術として重要なのは「良い球を投げる」より “悪い時にボール先行にならないフォーム再現性”で、石井はここが強い。
5) メンタルじゃなく“動作”が強い:ピンチで同じ球を投げられる
2025年のCS記事では、満塁の大ピンチで登板して渾身の直球で空振り三振を奪った描写があります。
こういう場面で効くのは根性論というより、
- いつも通りのテンポでセット
- 腕の振りが緩まない
- 狙った高さに投げ切る
という再現性。石井は「球種の設計」だけでなく「局面が変わっても動作が変わらない」タイプです。
参照:【侍JAPAN選出】WBC2026に出場する日本代表に石井大智投手が選出!50試合連続無失点を記録した今季の活躍をまとめてお届け!阪神タイガース密着!応援番組「虎バン」ABCテレビ公式チャンネル
そんな石井が左アキレス腱損傷でWBC辞退をNPBに申し入れた、というのが今日(2026/2/12)の報道内容です。
彼は現行の侍ジャパン投手陣(2/11更新の公式リスト)にも入っていたので、代替投手の追加が必要になります。
その代替候補を考えるうえで、現実的にまず見るべき根拠が WBCの“投手予備メンバー(Designated Pitcher Pool / 予備登録)”です。日本の予備登録投手は報道ベースで 6人が挙がっています。
(=手続き面でも“ここから呼ぶ”のが最短ルートになりやすい)
代替候補(根拠つき)
以下は、報道で「侍ジャパンの投手予備メンバー(プール)」として挙がっている面々です。
最有力候補:杉山一樹(ソフトバンク)
根拠
- 予備登録投手として名前が挙がっている(=追加招集の制度上の“候補群”に入っている)。
- 2025年に**31セーブで最多セーブ(セーブ王)**を獲得しており、「終盤の1イニングを締める」適性が明確。
石井の“代わり”としてハマりやすい理由(技術・役割)
- 石井が担っていたのは基本的に接戦の終盤でのアウト獲得(セットアッパー〜クローザー周辺)。そこに最も近い実績・運用経験があるのが杉山、という見立てが立ちます。
次点候補:今井達也(アストロズ)
根拠
- 予備登録投手として挙がっている。
- MLB公式の扱いとして「(代表が)マイアミのラウンドに進出した場合にコールアップ可能」という説明が出ている。
ただし注意点(=石井の“即時穴埋め”にはなりにくい)
- 同じ記事内で「今井はメジャー1年目でスプリングトレーニング優先のため30人枠に入らなかった」旨が触れられており、初戦からの即合流は読みづらいです。
→ 「大会の進み方次第で後から加わる“上積み枠”」としては有力、という位置づけ。
左の選択肢:金丸夢斗(中日)、隅田知一郎(西武)、小笠原慎之介(ナショナルズ)
根拠
- いずれも投手予備メンバーとして報道に明記。
起用イメージ(石井の代替としては“役割変換”になる)
- 石井は右の中継ぎ(勝ちパ)として期待されていた枠なので、左腕を入れる場合は「同じ役割を埋める」というより
- 左のワンポイント〜左が並ぶイニング担当を厚くして、
- 右の終盤は既存メンバー(大勢、藤平、松本裕樹など)で回す、
という“分担設計”になりやすいです(現時点の代表投手陣の左右構成は公式リストで確認できます)。
推測として一番筋がいい結論
- 「石井の代わり=同タイプの右の終盤投手」を優先するなら、杉山一樹がいちばん説明がつく(予備登録+セーブ王の実績)。
- 今井達也は“後から上積みできるカード”として強いが、即時穴埋めかは大会の進行と所属事情次第。
- 左腕組(金丸・隅田・小笠原)は、入れるなら「石井の役割を置換」ではなく「ブルペンの設計を組み替える」方向で効く。
