藤平尚真(楽天)は、WBC日本代表に「平良海馬の辞退(左ふくらはぎ肉離れ)」の代替として追加招集された右のリリーバーです。
タイプを一言でいうと “直球とフォーク(スプリット)を、ほぼ同じ腕の振りでぶつけてくる2ピッチ高出力型”。球種を絞ったことで強みが際立ちました。
参照:【超ピンチで目覚める】藤平尚真『一死満塁サヨナラ危機で…抜群フォーク&覚醒ストレートで咆哮!』
どんな投手か(特徴の骨格)
- 投球の大半がストレート+フォークで、2球種で約95%を占めるシーズンがある(=迷いが少なく、意図が明確)。
- 先発→リリーフ専念で、平均球速が大きく上がった(全力を1イニングに集約できる)。
- 直球は“ホップ成分(縦の伸び)”を意識して改良している、という本人コメントがある。
強み1:直球の「縦の伸び(ホップ成分)」で打者のバットを浮かせる
藤平の直球の狙いは、単に速いだけじゃなく “上から叩いて、縦に伸ばす”こと。本人が「ホップ成分が(昨年キャンプより)15センチくらい高かった」「縦に縦に伸ばすイメージ」と語っています。
それを再現する技術(メカニズム)
- 回転軸(スピン軸)をより“12時方向”に近づける
本人は指の角度を「去年は1時〜1時30分→今年は12時半〜12時45分」と表現しています。
これは雑に言うと、ボールの回転が寝にくくなり、打者から見ると直球が「落ちてこない」見え方になりやすい調整です。 - 意識ワードが「上から叩く」=リリースで手首をこねず、回転の縦成分を確保する方向。
打者に何が起きるか
- 直球を“上に”感じるので、バットの軌道がズレやすく、空振り・ファウル・フライ系が増えやすい(特に高めと相性が良い)。
強み2:フォークが「落として空振り」だけじゃなく、ストライクも取れる
藤平のフォークは、一般的な「ボールゾーンに落として空振り」を狙うだけでなく、追い込む前からストライクゾーンにも多投している点が特徴としてデータで指摘されています。
さらに、フォークの奪空振り率24.6%(リーグ上位)という数字も紹介されています。
それを再現する技術(メカニズム)
- “落差”より先に「同じ腕の振り」と「ストライク近辺に集める制御」が要。
フォークをゾーンに入れられる=- すっぽ抜け(抜け球)を減らす
- 直球の腕の振りを緩めない
- リリース高さ・前後差を小さくする
という「再現性」の勝負になります。
- 直球を多く見せる(ストレート比率が高い)からこそ、“ストレート待ちの視線”にフォークが刺さる構造になっています。
打者に何が起きるか
- 「落ちるから振らない」ではなく、ストライクに見える/見送ってストライクが起きる。
- 直球で差し込まれる恐怖があるので、フォークで“前のめり”のスイングを誘発しやすい。
強み3:2球種運用の“割り切り”が、国際大会向き
短期決戦は「初見」「情報が少ない」「一発勝負」になりがち。そこで藤平のように
- 直球で押す(球威・縦伸び)
- フォークで落とす(空振り+ストライクも取れる)
- ほぼ2球種で迷いがない
という投球は、相手が対策を作る前に抑えやすいタイプです。球種を絞って成功した、という経緯も整理されています。
では、その藤平が平良離脱の穴を埋めることはできるのか
結論から言うと、「平良の“全部”を藤平が一人で埋める」というより、平良が担うはずだった終盤の仕事を“分担して埋める”可能性が高いです。藤平は十分に戦力になりますが、平良とは“強みの種類”が違います。
まず前提:平良が抜けたのは「終盤の最上位カード」
平良海馬は左ふくらはぎ肉離れで辞退し、藤平尚真が追加招集されました。
平良はNPBで2025年に54登板・31セーブ、防御率1.71と“抑え級”の実績が直近で出ています。
つまり日本代表は、本来「9回(または最重要の局面)に投げられる“絶対値の高い右のリリーフ”」を1枚失った、という見立てになります。
藤平は代役を務められるか?(務められる部分/難しい部分)
務められる部分:高出力の1イニングで、三振を奪える
藤平は2025年に62登板・12セーブ21ホールド、防御率2.11、K%27.6と、勝ちパで回れるだけの数字を出しています。
球種的にも ストレート+フォーク中心で空振りを取りやすい(フォークの空振率が高い)という特徴がデータに出ています(※独自集計データ)。
→ WBCの短期決戦では「1回を任せて三振で切る」役割にハマりやすいです。
難しい部分:平良ほど“引き出しの多い終盤エース”ではない可能性
平良は球種の幅が広く、状況に応じて組み替えられるタイプであることがデータからうかがえます(ストレート以外にスライダー/カット/スプリット等。※独自集計データ)。
一方、藤平は良くも悪くも「2〜3球種の強みで押し切る」寄りになりやすい。
→ 代表戦は相手打線が強く、かつ研究も早いので、“何でもできるクローザー像”の再現は、藤平単独だと期待値を置きすぎない方が安全です。
じゃあWBCではどう働きそうか(根拠つきの推測)
代表投手陣を見ると、右の終盤候補が複数います(例:大勢、松井裕樹、松本裕樹など)。
なので起用はたぶんこういう設計になります。
推測1:藤平は「7〜8回の右の強打者が並ぶ所」を任されやすい
- 根拠:藤平は2025年にホールド21とセットアッパー運用に耐えた実績がある。
- 技術的根拠:ストレートで押して、フォークで空振りを取る“短い回で強い”型(フォークの空振りが出ている)。
推測2:9回(最終回)は“別の投手”に寄せ、藤平は火消しにも回り得る
- 根拠:平良は31セーブ級の「9回の設計者」だった。
- 代替は「藤平に全部」より、大勢や松井裕樹など“抑え経験・国際経験・左のカード”も含めて分担した方が合理的(ロースター的にそれが可能)。
推測3:藤平が効くのは「初見で振ってくる」相手、苦しくなるのは「見極めが上手い」相手
- 根拠:藤平はフォークを軸に空振りを取れる一方、相手が“落ち球待ち”を作ると直球の精度が問われる(2球種型の宿命)。
まとめ:代役としての評価
- 穴埋めの形:平良=「最終兵器1枚」/藤平=「勝ちパの強い1枚」なので、穴は“分担で埋まる”
- 藤平の価値:短期決戦で重要な「1イニングを三振で切る」「右の強打者列を止める」に適性がある
- 平良との差:平良のような“クローザーの万能さ・引き出し”は同等に期待しすぎない方が妥当
