トレイ・イェサベージの投球内容
総評:7回1失点、12K・0BB。スライダーとスプリットで計23空振り(WSのトラッキング導入以降で最多)を奪い、初回の2連発で得た主導権を離しませんでした。ドジャースの強力打線9人全員から三振を奪う“全員K”も達成。
目次
ベースとなる投球内容
- 配球の柱:中速帯のスライダーとスプリット。この2球種だけで**空振り21個(スラ14/スプリ7)**を量産。真っすぐは見せ球とカウントを整えるのに使い、追い込んでから変化球で仕留める形が顕著でした。
- ゾーン内の制球:与四球ゼロ。初球からストライクを取り、2ストライク後にボールから入る変化球で空振りを引き出す“カウント支配→(俗にいう)拝ませる球”の流れがハマりました。
- 象徴的な場面:3回、大谷翔平をスプリットで空振り三振。膝をつかせるほどの落差と横滑りで、球威だけでなく見え方(高いリリース/角度)が効いた一球でした。
記録尽くしの圧巻ピッチング
- 空振り能力が規格外:23スイングミスはWS記録級。決め球が2つあるため、左右や打順の再対戦でも的を絞らせませんでした。
- メンタルとテンポ:0BBで試合運びが速く、球場のムードを常にトロント側へ。ビジターでのWS初先発でも平常心を維持しました。
- スターティングメンバ―全員に”K”:9人全員から三振を奪取=配球の引き出しと対策の幅が広いことを証明しました。
わずかに見えた課題
- 一発は被弾:3回にキケ・ヘルナンデスへソロを被弾。高めに入った球を一発で仕留められたのは反省材料です。
- 決め球依存のリスク:Game1ではスプリットの“感触”を掴めず苦しんだと本人談。決め球の出来に左右されやすい点は、次戦以降の修正ポイントです。
ワールドシリーズに至る経歴・エピソード
- アマ時代〜ドラフト:ペンシルベニア州ボイヤータウン出身→イーストカロライナ大(ECU)で先発転向後に一躍全国区に。2024年ドラフト1巡目(全体20位)でブルージェイズ指名。武器は94–96mphの速球、ミッド80’sのスライダー&スプリット、ロウ80’sのスパイクカーブ。非常に高いリリース角度も特徴。
- 逆風と復活:2024年春に肺の一部虚脱(気胸)で入院→復帰後すぐ、NCAA地域大会で当時全米屈指の右腕チェイス・バーンズ相手に7回1/3・1安打の快投。ドラフト評価を立て直す“復活劇”。
- “超特急”の昇格:2025年は4階級(A→A+→AA→AAA)を一気に通過し9月15日にメジャー初登板。わずか3先発でポストシーズン先発ローテへ。
- 10/5 ALDSデビューが伝説化:5回1/3無安打・11Kで球団ポストシーズンの記録を塗り替える。ここでもスプリットが主役。
- そしてWSへ:第5戦で12K・0BB(WS史上“無四球で最多K”)で新人記録。空振り23はトラッキング導入以降のWS最多。22歳でWS10K以上は史上最年少。
“映画でも無理な脚本”級の1年:A球団から半年でWS先発という“奇跡の階段”を駆け上がった新人を全米各紙も絶賛しました。
試合結果(Game 5)
- 最終:ブルージェイズ 6 – 1 ドジャース。場所:Dodger Stadium/観客 52,175/試合時間 3:02。チーム合計:H 安打数 TOR 9, LAD 4/HR TOR 2, LAD 1。
- 試合展開ハイライト
- 初回先頭から2球連続本塁打:デービス・シュナイダー、続いてブラディミール・ゲレーロJr.(WS史上初の“最初の2球で連発”)。
- ド軍は3回にエルナンデスがソロで一矢。
- トロントはその後も好機で加点し、最終的に6–1で快勝。
