日本人で初めてMLBのワールドシリーズ胴上げ投手となった上原浩治さんと、日本人で初めてMLBのドラフト指名を受けてメジャーデビューした加藤豪将さんによる対談で、
岡本和真や村上宗隆のMLB挑戦に向けての課題や展望について語られていました。(加入する球団が決まる前に収録されたもの)
今回はその対談を踏まえて、これからこの侍スラッガーたちが活躍していくために必要な要素について考察していきます。
参照:岡本和真を狙い撃ち!ブルージェイズ加藤豪将さんが本人に伝えた「のびしろは〇〇にある」村上宗隆・今井達也のMLBガチ評価!?佐々木朗希が入団しなかったのは自分のせい!?川﨑宗則さん伝説の続き【①/2】
岡本和真:ブルージェイズ視点の評価ポイント
まず大前提:「パワーは通用する」
加藤さんは最初に「パワーはメジャーでも絶対に通用する」という見立てを置いています。
ただし、MLB球団としては“パワーがある”だけでは獲得判断になりにくく、そこに 再現性(出塁・当て勘・三振の少なさ) が乗るかを見ている、という話の流れです。
具体的に見ている指標(=チームのアイデンティティに合うか)
ブルージェイズ側が重要視しているのは主にこのあたり:
- コンタクト率(当てられるか)
- 四球を取れるか(選球・出塁)
- 三振率(低いほど評価が上がる)
加藤さんの言い方だと、岡本は「パワーバッターなのにコンタクト率が高いタイプ」として希少で、そこがチームの“個性(アイデンティティ)”にフィットする、と評価しています。
付け足しで出た“現場的な強み”:体の強さ(耐久性)
ここは上原さんが強調していたポイントですが、加藤さんも同意する流れです。
- MLBは 移動・時差・試合数・休みの少なさ がしんどい
- だから「怪我しにくい/コンディションを崩しにくい」はそれ自体が武器
上原さんは岡本について「骨折や肉離れみたいな個人的な故障が少ない」「体が強い」と推していて、加藤さんも「体が強いのは大事」と補足しています。
要するに、岡本は “出力” だけじゃなく シーズンを走れる身体 も評価対象になっている、ということですね。
村上宗隆:評価が割れやすい点と“最大の売り”
懸念点:三振の多さ(MLBでどう出るかが未知)
加藤さんが率直に挙げたリスクはここです。
- 三振がちょっと多い
- 日本での三振傾向が、MLBの球質・配球・守備環境でどう出るかは読みづらい
- 「日本でここまで三振してきた選手が少ない」ので、比較対象が少なく判断が難しい
つまり村上は、能力の天井は高いけど 適応の振れ幅(当たればデカい/ハマらないと苦しい)が出やすいタイプとして見られているニュアンスです。
最大のセリングポイント:若さ(伸びしろ込みで獲る)
一方で、加藤さんが「一番の売りはこれ」と言い切っているのが 若さ。
- 若くして挑戦できる=改善・適応の時間が取れる
- 伸びしろが残っている前提でプランが組める
- 「これからの選手」という位置づけ
ここは岡本と対照的で、岡本は「今の完成度(パワー+コンタクト+出塁+耐久性)」、村上は「将来込みの投資(伸びしろ)」として語られています。
MLBで活躍するために必要なこと
ここからは、この2人がMLBで活躍していくためにどのような立ち回りが必要かについて考察していきます。
共通の大前提:MLBは「失投待ち」より「失投を増やす」
NPBより
- 球速の平均値が高い
- 球種の曲がりが鋭い(見慣れない形も多い)
- “ストライクに見えるボール”が増える
ので、「いい球を打つ」よりも先に、相手に“投げづらい状況”を作って失投を引き出すのが超重要です。
そのための共通行動はこの3つです。
- ゾーン管理(見逃し方が武器)
- “打てる球だけ振る”ではなく、「振らないことで相手の球数とストレスを増やす」発想。
- 2ストライク以降の設計(小さくならない)
- 当てにいくのではなく、「狙い球を絞って“ファウルで粘る”設計」を作る。
- 「初球の考え方」を統一する
- 初球を振るなら“ここ”だけ、見送るなら“この球種は絶対見送る”を決めて、迷いを消す。
2) 岡本和真:強みをMLB仕様に変換するコツ
対談の文脈だと、岡本は
「パワー+コンタクト率」が評価ポイントで、課題としては「四球を取れるか(選球)」が挙がってましたね。
岡本の“勝ち筋”
- もともと強い打球を打てる
- それに加えて三振率が低い/コンタクトができるタイプ
→ ここはMLBでもめちゃくちゃ価値が高いです。
MLBで伸ばすなら、この立ち回りが効く
A. 四球は「待つ」じゃなく「作る」
- 何でも打てる人ほど、相手は“ギリギリ”を攻めます。
- だからこそ岡本は、
「外の変化球で釣られない」=“逃げ道を封じる”のが最優先。
→ 釣り球を我慢できると、最後に真ん中寄りが来ます。
B. “打球の方向”を1つ捨てない(逆方向の強打を残す)
- MLBは守備シフトや配球が合理的なので、引っ張り一辺倒は狙われやすい。
- 岡本は、逆方向にも強い打球が出るフォーム・狙いを残しておくと、配球の自由度が落ちて勝ちやすい。
C. 守備は「平均でOK」戦略が現実的
- 岡本は角(1B/3B)での起用が想定されやすい。
- 立ち回りとしては
- “確実な送球”
- “最初の一歩”
- “バウンド処理の安定”
だけを徹底して、派手さより失点を減らすのが近道。
3) 村上宗隆:課題がハッキリしてるから伸び代もデカい
対談の文脈だと、村上は
- 懸念:三振が多いこと、三塁守備
- 強み:若さ=伸び代、パワー
- 立ち回り:育成がうまい球団に行ってほしい
という話でした。
村上の“勝ち筋”
村上は極端に言うと、MLBで
- 「打てばMVP級」
- 「当たらないと穴を突かれる」
になりやすいタイプ。
だから最初の1〜2年は、成績よりも
「相手が攻めづらい打者に変化できたか」を優先した方が、結果的に早く跳ねます。
MLBでの立ち回り(村上はここが超重要)
A. 三振をゼロにする必要はない。 “質”を変える
目標は「三振減」じゃなくて、
- ボール球の空振りを減らす(追いかけない)
- ストライクの空振りはOK(相手が良い球)
に変えること。これができると、OPSが一気に安定します。
B. 2ストライク以降の“逃げ道”を作る
- 村上はパワーがあるぶん、相手は落ちる球・外に逃げる球で仕留めに来ます。
- ここで必要なのは、当てにいく小手先じゃなくて
- 「ファウルで逃げられるゾーン」
- 「逆方向への強いファウル」
みたいな“粘りの形”を先に用意すること。
C. 守備は「ポジションの再設計」込みで考える
- MLBだと、三塁に求められる反応・肩・送球角度が厳しい。
- 村上は、三塁に固執して消耗するより、
1B / DHで打撃を最大化→余裕ができたら守備も上げる
の順番が現実的です(起用法は球団次第だけど、立ち回りとしてはこの発想が大事)。
来週は、この2人の“打撃技術”についてさらに深掘り解説していきます。
