少年野球で使われる変化球の代表格は以前までカーブが主流だったが、肩や肘への負担が大きく故障のリスクも高い。
そこで近年では、腕の使い方がよりストレートに近く負担が少ないチェンジアップの方が少年野球にも向いていると言われることも増えてきた。
今回はそんなチェンジアップについて、沢村賞やMVPの受賞歴もある金子千尋(金子弌大)元投手が解説する動画を紹介する。
参照:【基本の変化球が7種類!?】日ハム金子弌大選手の変化球&投球術を公開!!
金子弌大流チェンジアップは「抜く」より「同じに見せる」
チェンジアップというと「抜く(力を抜いて遅くする)」が定番の言い方だが、金子千尋はそこに強く注意を入れる。
“抜こう”と意識すると、肘が下がる/手首が緩む/リリースが変わるなど、投球フォームのどこかが崩れやすい。そうなると、チェンジアップ以前に「ストレートと違う球」に見えてしまい、バッターに見抜かれる。
金子が重視するのは、遅くすることよりもまず 「ストレートと同じリリースで投げる」こと。チェンジアップでも、最後まで ボールの“上”に指が乗っている状態を守り、腕の振りやリリースポイントを変えない。
狙いは、バッター視点で「ストレートにしか見えない」状態を作ることにある。
“落とす球”じゃなく「回転の作り方」でストレートに見せる
ありがちな誤解として、チェンジアップを「落とす球」「変化させる球」として作りにいくと、手の動きが変わって逆効果になりやすい。金子はむしろ、ブルペンで見たら「ただのストレートみたい」に見えるくらいでいい、という発想に寄せている。
そのために必要なのが、リリースで しっかり指にかけて、回転の“質”を整えること。
力感を落とす・腕を緩める方向ではなく、ストレートに見える回転を保ったまま、握りや指の使い方で球速差を作るイメージが語られている。
グリップは中指と薬指が軸。ポイントは「横」より「縦」の感覚
一般的なチェンジアップの説明では「中指と薬指で横から挟む」イメージがよく出るが、金子はそれに近い部分はありつつも、感覚としては “横”ではなく“縦”寄りだと話す。
ただし投げる瞬間には結局ボールが離れるので、形を固定しすぎるより「離れ方がどうなるか」を優先しているニュアンス。
さらに重要なのが 親指の位置。
親指が人差し指の真下に入りすぎると、手の動きが限定されてしまう。親指位置を少し工夫すると、手が自然に戻ってきて、リリースで狙った方向に“行きやすくなる”――金子はそうした「投げるきっかけ」を掴んだ経験として語っている。
まとめ:金子流チェンジアップの要点(記事の結論)
- 「抜く」を意識しすぎると 肘・手首・リリースが変わってバレる
- チェンジアップでも ストレートと同じリリースが最優先
- 指は最後までボールの上側に置き、ポップフライ系の抜けを防ぐ
- “落とす球”を作りにいくより、回転の作り方でストレートに見せる
- グリップは中指・薬指が軸。形よりも 「どう離れるか」
- 親指位置の工夫が、自然な手の戻り=安定したリリースの助けになる
