【スコアパッド】”三振”にまつわる様々なシチュエーションの記録を紐解く!|野球スコアブックの書き方

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極上の場面を切り取る”三振”というルール

2ストライクに追い込まれた打者に対して、投手の投げたボールがビシっと決まってバットが空を切る、もしくは手が出せずに呆然と見送る ― 三振バッターアウトというシチュエーションは、敵味方両軍にとっても興奮と溜息が交錯する極上の瞬間です。

ですが、打者によるストライク球の見逃し、もしくは空振りを喫した場合の他にも、様々に「三振」としてスコアに記録されるべきシチュエーションが存在します。

果たして、どういった場合でしょうか。

”三振”として記録するシチュエーションの種類

一つ一つ例を挙げて解説します。

空振り/見逃しによる三振

一番オーソドックスな形です。スコア上にはリザルトの箇所に「K」を記入の上、中央のマスにはその時点で攻撃側が喫したアウトカウントを記載します。また、空振りと見逃しを区別するために、例えば空振りの場合には「Ⓚ」のように丸く囲むなどして、見逃し三振の場合と区別するとよいでしょう。

ちなみに豆知識。

なぜ三振を記録する際に「K」という表記をするのかといえば、現在の形のスコアブックを初めて体系化したとされるアメリカの記者、ヘンリー・チャドウィック(Henry Chadwick)が考案した記載法と言われています。

チャドウィックは、本来であれば三振なので「Stirike Out」の頭文字である「S」としたかったようですが、すでにシングルヒットの際に「S」と記載することを決めてしまっていたため、やむなく苦肉の策として「striK」の語尾である「K」を採用したのが、今も受け継がれています。

他に「K」で思い当たるプレーがなかったのが、幸いしましたね。

振り逃げによる三振

打者が3つめのストライクを喫してしまった際、捕手がそのボールを後逸したり、ワンバウンドの投球を捕球できなかった場合には、打者には三振したにも関わらず、打者走者として一塁へ出塁する権利が認められます。これが「振り逃げ」です。

スコア上では、様々な記載の仕方がありますが、スコアパッドでは「」の記載を左右反転した「逆K」を採用しています(添付参照)。

捕手は、拾い上げたボールを打者走者に対してタッグプレーでタッチするか、一塁へ転送することでアウトにすることができます。もちろん、転送されたボールより先に打者走者が塁上に達していた場合はアウトにはならず、一塁走者としての出塁が認められます。

プロ野球観戦などで、三振をした打者がそのまま一塁へ走り出し、捕手が打者に直接タッチするか、一塁にボールを転送するシーンが見られますが、これは振り逃げのルールに即したプレーによるものです。

また、「振り逃げ」という名称によって誤解が生じやすいですが、3ストライク目を打者が見逃した場合、つまり”スイングをしていない三振”の場合でも、振り逃げは認められます

「振って逃げる=バットを振った三振でないと、振り逃げはできない」と誤解している場合には、注意しましょう。

さらに振り逃げは、

・ノーアウトまたはワンアウトで、一塁に走者が居る場合には適用されない

というルールもあります。この場合には、捕手が後逸する・しないに関わらず、打者は三振を喫した時点で即時バッターアウトとなるので、この点も抑えておくとよいでしょう。

スリーバント失敗による三振

3ストライク目の投球に対してバントを試みた打者の打球がファールとなった場合には、「スリーバント失敗」として、これも「三振」が記録されます。

スコアパッドでは、スリーバントによる失敗かどうかを明確にするために、Kを「△」で囲んで分かり易くしています(添付参照)。スリーバント失敗の時点で、打者は即時アウトとなり、中央のマスにアウトカウントを記載します。

補足:打撃妨害(バッター・インターフェア)の扱い

最後に、実質的に「三振」とは違うものの、捕手による「打撃妨害(バッター・インターフェア)」についても触れておきます。

打撃妨害とは文字通り、「打者の打撃行為を妨害するプレー」を差しますが、端的に、

・キャッチャーミットを含む捕手の身体や装具が、打者の振ったバットに振れた場合の、打撃に対する妨害行為

と言えます。

特に、三振を狙いにいくあまり、ついミットを投手側に大きく差し出してしまった時などに、起きることの多いシチュエーションです。思ったより投手の球速が出ていなかったり、打たれる雰囲気を感じた際の捕手による咄嗟の習性みたいなものでしょうか(笑) 。

この場合、いくらその投球で打者が空振りして三振を喫したとしても考慮されずに、打者には一塁への出塁権が無条件に与えられます。また、この際にスコア上で注意したいのは、

打撃妨害が起きた際には、打者の打数をカウントしない

という点です。いわば、四死球と同じような扱いで「打数」にはカウントしません

また、合わせて打撃妨害と判断されてしまった捕手には、記録上「失策」がつく点も見落としがちなので、注意しましょう。

なお、投手には何の記録もつかないため、仮に「押し出し打撃妨害」のような時は、投手の自責点にはカウントせずに、あくまで捕手の失策による失点として記録します。

バッターボックスでは、例え打球が前に飛ばなくても、様々なシチュエーションが起きることが絶えず想定されます。スコアラーとして注意深く状況を見極めるために、こうしたルールの知識を頭に入れておくことが、とても大切です。

おまけ:プロ野球における「振り逃げ」3選

参照:【超珍事】史上最長レベル、走りすぎた振り逃げ

参照:【野球の流れ…】中村晃『まさかの振り逃げから“劇的すぎる逆転2ラン“』

参照:珍決着!松田のサヨナラ振り逃げ 2014.05.06 H-F

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