2023年WBCの大谷は、成績だけ見てもエグいですが、「物語の中心人物」として大会を支配したと言っていいと思います。
目次
2023年大会トータルの成績とタイトル
打者として
- 打率:.435(23打数10安打)
- 本塁打:1本
- 打点:8打点
- 出塁率・長打率も含めて大会トップクラスで、
日本打線の“絶対的な3番”として機能しました。
投手として
- 登板:3試合
- 成績:2勝1セーブ
- 先発2試合+決勝でクローザー登板
- 防御率は1点台〜2点台前半(大会を通じて安定して好投)。
個人タイトル
- 大会MVP
- ベストナイン:投手、指名打者の“二部門”選出
→ 一人で投打両方のベストナインに入る前代未聞の扱いでした。
大会全体で見た大谷の“意味”
数字以上にインパクトが大きかったのは、こんな点だと思います。
- 史上初の本格派二刀流WBC
- 先発ローテの柱をしながら、中軸を打ち続ける選手は前例がなく、
- そのうえ決勝でクローザーまでやるという「超マルチロール」をやり遂げた。
- 日本代表の“顔”かつ、ムードメーカー
- ヌートバーをいじったり、若手と一緒に全力で喜んだり、
- ベンチでも常に先頭で声を出し、チームの空気をポジティブに保ち続けた。
- 世界に向けてのストーリー性
- MLB公式や各メディアも、「Ohtani vs Troutで終わるWBC決勝」という“完璧な構図”
を大きく取り上げ、世界中の野球ファンに強烈な印象を残しました。
- MLB公式や各メディアも、「Ohtani vs Troutで終わるWBC決勝」という“完璧な構図”
2026年大会で優勝するための課題
一言でまとめると、
「大谷の二刀流を“やり過ぎない形”で活かしつつ、投手と野手の層をどこまで厚くできるか」
が、2026WBCで日本が連覇するための最大の課題になりそうです。
大谷個人とチーム全体、それぞれ分けて整理しますね。
① 大谷本人まわりの課題
1. 肘とコンディションを前提にした“二刀流の線引き”
- 大谷の契約には WBC出場を禁じる条項はなく、ケガでない限り球団は出場を止められない と報じられていますが
→ 逆に言うと、「何試合・何イニングまで投げるか」はドジャースとの綿密な調整が必要。 - 2025年も投打ともトップクラスの成績を残しているとはいえ、
肘の負担を考えると- 先発は大会中 2試合程度まで
- 決勝でのクローザー登板も「1イニング限定」
…くらいの制約付き二刀流になる可能性が高いです。
課題:
「投げすぎさせないライン」を守りつつ、
それでも“ここぞ”ではマウンドに立ってもらえるような調整・起用をどう設計するか。
2. DH枠をどう使うか問題(打線全体とのトレードオフ)
- 大谷が出れば、基本的に DHは大谷専有 になります。
- つまり
- 休ませたい主力打者をDHに回す余地がほぼない
- 打線の柔軟性が落ちる
というデメリットもセット。
課題:
「DH=大谷固定」を前提に、他の強打者をどこに守らせるか。
守備と打撃のバランスをどう最適化するか。
(例:村上を三塁で使うのか、山川や清宮を一塁に置くのか、外野は誰を固定するのか、など)
② チーム全体としての課題
3. 先発ローテと投球回のやりくり
- 日程を見ると、日本プールC(東京ドーム)は 2026年3月5〜10日、
その後マイアミで準々決勝〜決勝(3月13〜17日)という流れです。 - 移動日+時差ボケ込みで考えると、
- プール戦:3~4枚目の先発でも勝ち切れるか
- 準々決勝〜決勝:
- 大谷・山本・佐々木朗希・今永などのMLB組をどのカードに割り当てるか
- 「中○日で再登板」をどこまで許すか
がかなりシビア。
課題:
- MLB組に頼り切らず、
NPB組だけで1試合任せられる先発を2〜3人用意できるか。 - 長期戦になったときの
ロングリリーフ/“第二先発”役を誰にするか。
4. 継投パターンと“負担の見える化”
2023WBCでは
- ダルビッシュ、大谷、山本、佐々木…と豪華先発陣でしたが、
短期決戦ゆえに同じ投手に負担が集中しやすい問題も露呈しました。
2026では
- MLB側も球数制限や連投NGのリクエストを出してくるのが確実で、
「気づいたら同じ中継ぎばかり酷使していた」という事態は避けたい。
課題:
- 役割を
- 左のワンポイント
- 回跨ぎOKのマルチリリーフ
- 終盤のセットアッパー
…とあらかじめ細かく決めて、誰をどこまで使うかをシミュレーションしておくこと。
- データスタッフも含めて、
登板間隔・球数・疲労度をリアルタイムで見える化する体制を整えられるか。
5. センターラインと守備力の確保
- 近年の侍ジャパンは
- 捕手:甲斐・中村悠平
- 二遊間:源田・山田・牧・山本(武岡・門脇なども台頭)
- 中堅:近藤・ヌートバー・万波ら
と、守備力が高い選手を軸に組んできました。
- 一方で2026に向けては
- 源田のコンディション
- ヌートバーらメジャー勢の参加可否
- 若手内野手の台頭(紅林・門脇など)
が読みにくい状況。
課題:
- 「守備で計算できるセンターライン」をどこまで固定できるか。
- 大谷・山川・村上クラスを並べつつも、“守備で負けないオーダー”を保てるか。
6. 打線のバランスとタイプの多様性
- 2023大会では
- ヌートバー(出塁&粘り)
- 近藤(出塁&つなぎ)
- 大谷・吉田・村上(中軸)
と、タイプの違う打者をうまく組み合わせたのが成功要因のひとつでした。
- 2026に向けては
- 大谷・村上・山川・万波…と“長距離砲”は豊富な一方で、
- 「足も使えて、球数も稼げる1・2番タイプ」を誰にするかが鍵になりそうです。
課題:
- つなぎ役・左右のバランス・代走要員をどこまで組み込めるか。
- 「大谷に四球を出したら終わり」と思わせるためにも、
前後を打つ打者のクオリティと相性を緻密に設計する必要があります。
7. メディア・期待値との付き合い方(メンタル)
- 2023WBCの優勝で、すでに日本は「世界最強クラスの代表」という認識。
- 2026は“ディフェンディングチャンピオン+大谷連覇へ”の構図で、
プレッシャーや報道量は前回以上になるのが確実です。
課題:
- 「優勝しないと失敗」という空気の中で、
- ベテランと若手のメンタルケア
- 敗戦リスクを冷静に受け止めるスタッフ体制
をどう作るか。
- 特に大谷への注目が一点集中するので、
“大谷頼み”ではない戦い方を選手・首脳陣がどこまで共有できるか。
ざっくりまとめ
2026WBCで日本(と大谷)が優勝を狙うにあたっての主な課題は:
- 大谷の二刀流の負担管理と起用法(どこまで投げさせるか)
- 大谷がDHを専有しても破綻しない打線・守備のバランス
- MLB組に依存しすぎない先発ローテとリリーフ運用
- センターラインの守備力確保とタイプの違う打者の組み合わせ
- “連覇+大谷”への期待とプレッシャーをどうコントロールするか
このあたりをうまく解決できれば、
正直戦力的には 「優勝候補のど真ん中」 なので、
また2023みたいな“漫画みたいな大会”になる可能性はかなり高いと思います。
参照:United States vs. Japan Full Game (3/21/23) | 2023 World Baseball Classic Final
