モイネロの凄さをざっくり言うと、
「高いリリースから“魔球カーブ”とチェンジアップでゾーンをゆがませつつ、真っすぐで上からフタをする投手」
です。球種ごと・投球術ごとに具体的に整理しますね。
目次
1. フォームと角度そのものが武器
- トラックマンのデータでは、カーブのリリースポイントが約188cm。NPB平均のカーブは約168cmなので、20cmも高い位置から投げ下ろしている。
- 高い位置からスリークオーター寄りでクロス気味に投げ込むので、
- 左打者には「背中側から降ってくる」感覚
- 右打者には「身体に向かってくる→急に落ちる・逃げる」感覚
を与えやすいフォームになっている。
この前提があるからこそ、後述のカーブやチェンジアップの変化がさらにエグく見える、という構造です。
2. ストレート:上からフタをする球
- 2024年の平均球速は約93マイル(約150km/h)。リリーフ時代より少し落として、その分スタミナと制球を重視した形。
- フォーシームは「ライド(縦の伸び)」が強く、ゾーン上部に集めて空振り・ファウルを取る設計。
- 2025年のNPB成績でも、ストレートの被打率は.208、空振り率も約10%と高水準。
ただし、
- 右打者には、このストレートでホームランを打たれることが多く(被本塁打7本中7本が右打者)、「打たれるなら真っすぐで」の割り切りでゾーンに投げ込むスタイルなのも特徴です。
3. 代名詞の“魔球カーブ”
数字が物語る異常さ
- トラックマンでは、モイネロのカーブの
- 平均回転数:約2985rpm(NPB平均2459rpmより500回転以上多い)
- 縦の変化量はNPB平均カーブのおよそ2倍の落差と分析されている。
- 2025年の被打率は.113、空振り率13%超、ストライク率も高く、
→ 「ほとんど打たれないのにゾーンにも入る」球になっている。 - 解析記事では**CSW(見逃し+空振り率)38%、空振り率29%、決め球率20%**とされており、
→ ストライクも取れるし、空振り三振も取れる万能の決め球。
投球術としての使い方
- 高め真っすぐとのトンネルを意識して、同じ高さから急激に落とすことで、
- 見逃しストライク
- バットの上っ面を叩かせるゴロ
の両方を量産している(2024年はカーブ被打球のゴロ率77%)。
- 左打者には「曲がり落ちるボールをストライクに入れる球」としても機能し、
→ カウント球としても追い込んでからの決め球としても使っているのが、エース級たる所以です。
4. チェンジアップ:先発転向を成功させたキー
- 平均83マイル、CSW35%、ストライク率65%。
- 2025年の被打率は.213、空振り率21.7%、ゴロ率も55%と、三振も取れるし弱いゴロも打たせられる球。
投球術としてのポイントは:
- 右打者には、ストレートと同じ腕の振りから沈みながら腕側に食い込む球として使い、
→ 「真っすぐ張り」の打者の前のめりスイングを誘発。 - 先発転向後は、特に右打者に対して使用率約24%まで増やし、
「真っすぐに並ぶ第2の軸」として投げることで、打順2巡目以降でも通用する形を作っています。
モイネロの“魔球カーブ”の投げ方
モイネロのカーブは、
高い位置から、親指〜人差し指の間でボールを“前に転がす”ように抜いて、強烈なトップスピンをかける投げ方
をしていると説明されています。
具体的に分かっているポイント
1️⃣ ボールの抜き方・回転のかけ方
分析記事によると、モイネロは
- 親指と人差し指の間からボールを抜くようにリリースして
- そこで強いトップスピン(前回転)をかけている
と説明されています。
ここが普通の「ひねり落とすカーブ」と違うところで、
- サイドにひねるというより
- 手のひら側に“前へ転がす”イメージで指先を前に送る
ことで、あのエグい縦変化を作っている、という解釈です。
2️⃣ 指の当て方・手首の角度(推定)
別の解説では、
- 親指〜人差し指を深くボールに密着させる
- 手首を立てたままリリースすることで
- 指全体でボールを“上からつかんで前に送る”
- =トップスピンが強く入る
とまとめられています。
なので、イメージとしては
「ストレートと同じ腕の振りで来て、最後だけ
親指〜人差し指で前に“コロッ”と転がすカーブ」
に近いです。
3️⃣ リリースポイントの高さとフォーム
同じ記事のトラックマンデータだと、
- NPB平均カーブのリリース高さ:約168cm
- モイネロのカーブのリリース高さ:約188cm(+20cm)
つまり、
- 肘を高く上げたまま、かなり上から投げ下ろす
- クロスステップ気味のフォームと相まって、
左打者からすると「頭の後ろから落ちてくる」ような軌道になる
この高いリリース+トップスピンの組み合わせが、
“魔球カーブ”と言われる落差と角度を生み出している、という整理ですね。
