目次
主なリザルト指標
| 指標 | トロント・ブルージェイズ(TOR) | ロサンゼルス・ドジャース(LAD) |
|---|---|---|
| 三振(SO) | 16 | 13 |
| 四球(BB) | 9 | 10 |
| 本塁打(HR) | 1 | 4 |
| 安打(H) | 15 | 16 |
| 出塁率(OBP)* | .321 | .365 |
* OBPは (H+BB+HBP) / (AB+BB+HBP+SF) で計算。TOR: H=15, BB=9, HBP=1, AB=67, SF=1 → 25/78=.321。LAD: H=16, BB=10, HBP=1, AB=63, SF=0 → 27/74=.365。元データ(合計AB/H/BB/HRおよび「SF=Giménez」「HBP=Varsho/Will Smith」)はCBSボックスの合計行とプレー記録より。
参考:試合は18回表まで5–5、18回裏にフリーマンのサヨナラ弾(406ft)で決着。延長18回・6時間39分で、WS史上最長タイの“長丁場”。
フライボール革命が与えた影響
1) “三振・四球・本塁打”への収斂が両軍のベースに
- 18回で三振計29、四球計19。どちらもリーグ全体で進んだ「三振増・四球増」のトレードオフが極端化した形に。特に、LADは四球10(うち大谷への敬遠含む)とHR4で典型的な「TTTO(Three True Outcomes)寄りの攻撃」で押し切った。
2) “空中戦の決定力”の差:HR 1 vs 4
- ブルージェイズは、HR1本(Kirkの3ラン)で序盤に試合を大きく動かしたが、以降は長打の再現性が乏しく(2塁打1本のみの記録)、出塁は保てても“最後の一押し”が不足した。
- 逆に、ドジャースはHR4本(大谷×2、ヘルナンデス、フリーマン)で、同点→延長突入→決着までフライボールの最大効率=スタンドインを何度も実現し、勝利を手繰り寄せた。
3) “出塁の質×長打”で作る得点EV
- OBPはLAD .365>TOR .321。四球10とHBP1を含めて母集団の出塁を積み増し、高い出塁×角度のついた強い打球(HR4)の掛け算で押し切るのは、フライボール革命後の模範解答的な勝ち筋。
4) “個の破壊力”の最大化=ラインナップ全体の期待値を底上げ
- 大谷翔平が1試合9度出塁(2HR、2二塁打、5四球[敬遠4を含む])という超規格外の“出塁+長打”で、後続のチャンス規模を拡大し続けた。ひとりの“空中戦マシン”がチーム全体のRun Expectancyを底上げする、現代打撃の象徴的現象。
Run Expectancy(ラン・エクスペクタンシー)とは?
- 「アウトカウント×走者状況から、イニングが終わるまでに平均で何点入るか」を表す指標。
- 例:「無死一塁」や「一死三塁」といった 8通りの走者状態 × 3つのアウト数(0/1/2)=24の状態 それぞれに対して、過去の大量の実打席データから平均得点を計算して算出される。略称として、 RE24とも呼ばれる。
両軍の差と勝敗を決めた3つのポイント
①長打の総量と配列
- HR合計:TOR 1本 vs LAD 4本。とりわけ大谷の同点弾(7回)とフリーマンのサヨナラ弾(18回)という“レバレッジ最大局面”で空中戦の決定打を引いたことが勝負を分けた。同じ1点でも、HRでの即時得点はRun Expectancyの積み上げを省略できるため、長丁場ほど効く。
②出塁の厚み(OBP .365 vs .321)
- TORもH15・BB9で出塁は確保したが、SF1・HBP1を含めてもOBP .321止まり。対してLADはH16・BB10・HBP1で**.365**。“塁上の交通量”を増やした上での空中戦が、試合の後半~延長で得点機会を絶えさせなかった。
③終盤以降の決定力
- 大谷の“9出塁”とフリーマンの最終打席での角度(406ft)。高打球角+適切な打球速度が“17回・18回”のような超高レバレッジで炸裂し、「待って作る得点」ではなく「瞬時に取り切る得点」でゲームを終わらせた。
総括:この試合が描いた“フライボール革命の現在地”
- 三振は増える(TOR16、LAD13)が、四球とHRで上振れさせた側(LAD)が最終的に優位。
- “出塁を積み増す→空中に運ぶ”の再現性が延長の長期戦でモノを言い、LADのOBP優位+HR総量が決着を呼んだ。
- 勝敗の胆は、①HRの総量とタイミング(7回同点、18回決着)、②出塁の厚み(OBP)、③スターの破壊力の最大化(大谷・フリーマン)。この3点の“現代打撃の王道”を体現したドジャースが勝利をもぎとった。
参照:Blue Jays vs. Dodgers World Series Game 3 Highlights (10/27/25) | MLB Highlights
