【WBC】侍ジャパン追加招集・隅田知一郎とは?石井大智の代役を務める最強左腕の強みを徹底解説

隅田知一郎(西武)は、石井大智の負傷離脱(左アキレス腱損傷)に伴ってWBC代表に追加招集された左腕先発タイプです。
隅田の投球スタイルは、“主導権を握るためのストライク先行”と、“追い込んでからの落ち球2枚(フォーク/チェンジアップ系)での仕留め”です。

そんな彼の投球について深掘りしていきましょう。

目次

1) いちばんの強み:四球を減らして、打者に選択肢を与えない(ストライク先行)

隅田の近年の進化として大きいのが、与四球率の改善です。スポーツナビ(パ・リーグインサイト)の分析では、与四球率がルーキー年より大きく改善し、初球ストライク率がリーグ平均を上回るまで上がったこと、さらに2球で追い込める打席が増えたことが示されています。

技術的に何をやっているか

  • “ゾーンに入れる球”を増やす(初球・2球目でストライクを取り、カウント有利を作る)
  • 有利なカウントを作れるから、追い込んでからはボール球を使った決め球が成立する(後述の落ち球2枚へ繋がる)

この「先にストライクを入れられる」能力は、国際大会で特に効きます。WBCは短期決戦で、四球→長打の事故が一気に試合を動かすので、“まず歩かせない”が最重要になりがちです。

2) 追い込んでからが本番:落ち球2枚で空振りと凡打を作る

同じ分析記事で、隅田は2ストライク時にストレート/カットの割合を減らし、フォークやチェンジアップの割合を増やしていると整理されています。さらに、この2球種をボールゾーンに効果的に投げている=打者が手を出すとヒットになりにくい形、という指摘もあります。

技術的に凄いポイント

  • “同じ腕の振り”で落ち方が違う球を2枚持つ
    打者は落ち球を待つにしても「どっちが来るか」でスイングの当て方が変わります。そこを二択にされると、最後は“見逃し”か“空振り”が増えやすい。
  • ボールゾーンの使い方が上手い
    先にストライクを取れていると、決め球をボール球にしても成立します(見逃されてもまだ余裕がある)。

3) 長い回を計算できる:球数を減らす「投球設計」

隅田は投球の主導権を握ることで、1イニングあたりの投球数が少なくなり、より長いイニングを消化できることも分析されています(完封“マダックス”に触れた記述もあり)。

WBCでの「使われ方」予想

石井(右の勝ちパ中継ぎ)とは役割が違うので、隅田は

  • 先発(またはロングリリーフ寄り)で試合を整える
  • 左打者が続く回や、相手の上位に左が多いタイミングで“流れを切る”
    …のような起用がイメージしやすいです(“代役=同じ役割を丸ごと”ではなく、ブルペン設計の組み替え)。

石井大智と比較してどうなのか

前提として、石井大智=右の勝ちパ中継ぎ(短い回・高レバレッジ)、隅田知一郎=左の先発(長い回・試合を作る)で役割設計がかなり違います。 
なので「隅田が石井より上/下」というより、チームが得る強みが“別物に入れ替わった”と捉えるのが正確です。

その上で、「石井と比べて隅田が優れている点/そうでない点」を技術面中心に整理します。

隅田が“石井より優れている”と言いやすい点

1) 左腕であること(対戦設計の価値が大きい)

WBCは相手打線の中軸に左打者が並ぶ局面も多く、左の先発/ロングがいるだけで継投設計が変えられるのが強みです。隅田は左の先発としてイニングを食えるタイプで、2025年は23登板で159.2回を投げています。 
石井は右のリリーフなので、この“左右のカード”は石井にはない価値です。

2) 「長い回」を同じ球質で回せる(=打順2巡目以降も戦える設計)

隅田は2024年179.1回、2025年159.2回と先発としての運用に耐えていて、奪三振も毎年多い。 
石井は「1回を取り切る」スペシャリストなので、“6〜7回まで試合を作る”性能は比較対象になりません。

3) 変化球の“種類の幅”と使い分け

隅田はチェンジアップ系を軸にした組み立てが評価されていて、追い込んでから落ち球の比率を上げる運用がデータで整理されています。 
(石井もフォークは超一級ですが、リリーフゆえに「球種数で散らす」より「決め球で終わらせる」方向に寄ります。)

隅田が“石井より優れているとは言いにくい”点(=石井の方が上回りやすい点)

1) 高レバレッジの1イニングを「ほぼ失点しない」再現性

石井は2025年に53登板53回で自責1、防御率0.17、H36という異常値級の安定感。 
さらに50試合連続無失点など、終盤の一点差で求められる“失点しない投球”を年間通してやり切っています。 
先発の隅田はシーズンを通した総合力は高い一方、終盤ワンイニングの「一発も四球も絶対ダメ」の特殊状況は、石井の専門領域です。

2) 「短時間で出ていって、最高強度で投げる」中継ぎ適性

リリーフは

  • 急に呼ばれる
  • 走者がいる
  • 1球のミスが致命傷
    が当たり前。石井はここに最適化された投手です(2025年の起用と成績がそれを裏づけます)。 
    隅田は基本的に先発型なので、立ち上がりから徐々に出力を上げる/配球で整える方向になりやすく、同じ運用をそのまま当てはめるのは難しいです。

3) 「決め球1本の精度」で打席を終わらせる能力

石井はフォークを改良していることが報じられており、決め球の質をさらに上げようとしていました。 
短期決戦の終盤は“最後は空振りを取れる球”が正義になりやすく、そこは石井の強みです。


まとめ(WBCで何が入れ替わったか)

  • 石井の代替として“同じ役割”が補充されたというより、
    「右の勝ちパの1枚」→「左の先発〜ロングの1枚」へ、武器の種類が入れ替わった形です。 
  • 隅田が石井より優れているのは、左腕で長い回を作れること/先発設計の総合力。 
  • 石井が隅田より優れているのは、終盤1イニングの失点回避性能(2025の異常な安定)と、リリーフ適性。 

まとめ:隅田の凄さは“球威”より「主導権の握り方」

  • 初球からストライクを取ってカウントを支配する
  • 追い込んだら落ち球2枚(フォーク/チェンジアップ系)をボールゾーンで使って仕留める
  • 球数管理ができ、長い回を作りやすい

そんな隅田の凄さが詰まった試合がこちらです。
9回104球という球数の少なさでの無四球完封勝利は圧巻です。

参照:隅田知一郎『9回104球4安打9奪三振…圧巻の無四球完封勝利で開幕から3連勝&チーム貯金1』《THE FEATURE PLAYER》

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