野球人生で出会うことがあるかどうか、それくらい珍しいアンダースロー。
投手をやっていたら一度は遊びで投げたことはあるかもしれない。
だが、見様見真似でやるにしても情報が少なくて、合っているのかどうかも分からない。
そんなアンダースローの解説を全3回に分けて解説していこう。
参照:0から始めるアンダースロー入門!これであなたもアンダースローに
アンダースローを始めるなら「順番」が9割。最初にやるべきはサイドスロー
動画は、アンダースローに挑戦したい人がつまずきやすい「何から始めればいいのか」を、段階的な習得手順として整理している。結論は明快で、いきなりアンダーの形を作らないこと。まずはサイドスローを徹底し、肩の水平ラインより下で投げる感覚を体に覚えさせる。
多くの人はキャッチボールでオーバースローが染み付いているため、腕を横に振る動き自体が“未経験の運動”になりやすい。だから最初の課題は、フォームの派手さではなく水平リリースの基礎作りだ。
第1段階:サイドスローで「水平リリース」と「片足でのバランス」を作る
サイドスロー練習の狙いは2つ。
- 肩の水平ライン上で投げる(横からリリースする)
- 投げ終わりにバランスを崩さない
特に注意点として、腕を大きく送ろうとして体が流れ、投げ終わりにフラつくのはNG。動画では「踏み出した足一本で、バランスよく投げ切る」ことを強調している。アンダーはフォームが低いぶん、ブレが出ると再現性が落ちる。その“土台”をここで固める。
第2段階:スナップスローで「窮屈な姿勢でも腕を走らせる」感覚を作る
次に取り入れるのがスナップスロー。アンダースローは「前傾して沈み込み、窮屈な姿勢の中で投げる」フォームになりやすい。そこで、手首〜指先を効かせて腕を走らせるスナップスローが役立つ、という位置づけだ。
ここでのテーマは、フォームを低くすることではなく、指先を走らせる感覚を身につけること。ネットスローなどで反復して感覚を作っていく。
重要:サイドスローとスナップスローは「同時並行」で伸ばす
この動画の実践的なポイントがここ。
サイドスロー→終わったらスナップスロー、ではなく、2つを同じ時系列で並行して行う。理由は、この2つが互いに影響し合い、片方だけをやり込むとフォームが偏りやすいから。
「横から投げる骨格」と「指先で走らせる感覚」を同時に育てることで、次の“アンダーの形作り”に繋げていく。
第3段階:いよいよアンダースローの形へ。鍵は「沈み込み」と「前傾キープ」
基礎ができたら、アンダースロー特有のフォームを組み立てる。
沈み込み(下半身)
アンダーのリリースポイントの低さは、沈み込みの深さで決まる。
そのため、まずは「低い姿勢を作っても耐えられる下半身」が必要だと説く。練習方法として、長い棒(バーベル等)と鏡を使い、棒が一直線になるように前後動作を繰り返すイメージが紹介されている。狙いは、低い姿勢のまま体を安定させ、力を出し切れる身体を作ること。
前傾(上半身)
もう一つの壁が「投げる瞬間に上体が立ってしまう」癖。オーバースロー経験者ほど、リリースで無意識に体を起こしやすい。そこで、前傾したまま投げるトレーニングを行う。前後の動きの流れの中でスローイングを起こし、「傾いた状態のまま投げ切る」ことを反復して、形を確立していく。
まとめ:アンダースロー習得の順序は「階段を飛ばさない」
動画が提示するロードマップはこうだ。
- サイドスローで水平リリースとバランスを作る
- スナップスローで指先を走らせる感覚を作る
- その上で、アンダー特有の
- 沈み込み(下半身)
- 前傾キープ(上半身)
を組み立てる
そして何より、「いきなりアンダーに飛び込まない」。基礎を固めてから取り組むのが最短ルートだ、と締めている。
注意点:軽い気持ちで始めると“元に戻れない”リスクもある
最後に、アンダースローは投手の中でも特殊技能で、挑戦には覚悟が必要だと釘を刺す。
中途半端な気持ちで始めると、時間が無駄になるだけでなく、一度崩したフォームが戻らず、目指していた投手像を取り戻せない可能性もある。指導者側にも、本人とコミュニケーションを取り「その道でやる」覚悟がある選手に勧めてほしい、というメッセージが入っている。
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