【消える魔球!?】落差のあるシンカーの投げ方──西武黄金時代を築いた潮崎哲也の魔球シンカー

皆さんは潮崎哲也という投手を知っていますか?
まずはこの動画を見てください。

参照:潮崎しか投げられない!魔球・フワッと浮いて落ちるシンカー

現代でこれだけ落差のあるシンカーを投げる投手は滅多に見られません。

今回はこの魔球とも言えるシンカーの投げ方について、本人が解説している動画を紹介します。

参照:初登場!潮崎哲也 伝説の魔球“シンカー” の使い手が全てを語る【ピッチャーズバイブル】

目次

潮崎哲也のシンカーは「投げる前に9割決まる」

古田敦也が“魔球”と呼ぶ潮崎哲也のシンカー。本人の説明で一番強いメッセージは、「投げる瞬間に手首で曲げにいかない」ということだった。
潮崎のシンカーは、リリース直前に“ひねって作る変化球”ではなく、握りと手の角度を先に決め、あとは真っすぐ腕を振るだけで勝手に曲がる球として設計されている。

1) まず握りは「カーブの逆」から発想する

潮崎はシンカーを、いきなり“挟む球”として作ったのではない。原点は「カーブの逆を投げたい」という直感だ。

  • 当時、自分はカーブが曲がっていた
  • だから “反対方向に曲がる球” を同じように発想した
  • 握りは「カーブの握りの反対側に指を掛ける」イメージ

ここで重要なのは、シンカーを「指で無理やり捻り出す球」にしていない点。最初から回転軸が生まれる形(角度)を作っている

2) コツは「インパクトで手を動かさない」

潮崎が最も強調するのがこれ。

  • スライダーみたいにリリースで“こねる”
  • シュートみたいに“ひねる”

そういう動作を入れると、暴れてコントロールが壊れる。
潮崎は逆に、

  • 投げる前に角度を決める
  • その角度のまま、腕を振り切る
  • 離れる位置は毎回同じ

という作り方をしている。

例えとして出てくるのがゴルフの比喩で、
「手先でドロー/カットを打つ」のではなく、角度を作って同じ軌道で振る感覚に近いという。

3) “速いシンカー/遅いシンカー”は握りの寄せ方で作る

潮崎のシンカーは、球速差が約20kmあると言われるが、本人はそれを

  • 腕の振り
  • 握り
  • 角度

の組み合わせで作っていると語る理解が自然。

遅いシンカー

  • 人差し指と中指をくっつける(幅を狭くする)
  • より“抜け”やすくなり、球速が落ちる

速いシンカー(ツーシーム寄り)

  • 真っすぐに近い握りに寄せる
  • 最初に「1回転入れる」感覚を持つ(=回転の方向づけ)
  • あとは真っすぐ投げる

ここでも一貫しているのは「投げる前に完結」。
“投げながら調整”ではなく、握りと角度で“出る球”を先に決める

4) 親指のグリップが「速さ」と「回転」を支える

もう一つ具体的で実用的なポイントが、親指。

  • 親指のグリップが弱いと、早く抜けてしまい
    → 球速が出ない/スピンが乗りにくい
  • 親指でしっかりグリップすると
    → 最後までボールを保持でき、回転も上がる

つまり潮崎の感覚では、シンカーは「抜ける球」でもあるが、抜けっぱなしにしない。
“ズボッと抜ける”を抑えて、必要な回転だけは保つ設計になっている。

5) 感覚は「卓球のスマッシュ(ドライブ)」に近い

潮崎が独特な比喩として挙げるのが、卓球。

  • シェイクハンドでドライブ回転をかける動き
  • 「手が追い越していく」感覚

この比喩が示しているのは、リリースで“こねる”のではなく、
腕の振りの中で自然に回転が乗る形を作っている、ということ。

6) フォーム面では「左サイドを開かない」「尻から入る」

球の作り方だけでなく、体の使い方も語られている。

  • 左サイドを開かない(外回りして正面を向きすぎない)
  • 足裏の使い方(内側に入れていく)
  • ヒップファースト(尻から入る)
  • 着地しても“手が後ろに残る”状態を作り、加速距離を確保する

要するに、シンカーを安定して投げるために、体が早く開いてリリース点が暴れるのを嫌う
「できるだけ縦に、同じ姿勢感で投げたい」という言葉が象徴的。

まとめ:潮崎式シンカーの要点は3つ

  1. 握りと角度で、投げる前に球種を決める
  2. リリースで“ひねらない”。決めた角度のまま腕を振る
  3. 速さの違いは、指の寄せ方+親指グリップで作る

潮崎のシンカーは、“魔球”と言われる一方で、本人の語り口は徹底して合理的だ。
結局のところ、あの「ぽよよん」と落ちる軌道は、偶然でも器用さでもなく、「投げる前の設計」と「インパクトで余計なことをしない勇気」から生まれている。

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