前田健太の過去成績(2008 – 2025)
NPB(広島)
2008年(広島):19登板/9勝2敗/防御率3.20/109回2/3/55奪三振
2009年(広島):29登板/8勝14敗/防御率3.36/193回0/3/147奪三振
2010年(広島):28登板/15勝8敗/防御率2.21/215回2/3/174奪三振
2011年(広島):31登板/10勝12敗/防御率2.46/216回0/3/192奪三振
2012年(広島):29登板/14勝7敗/防御率1.53/206回1/3/171奪三振
2013年(広島):26登板/15勝7敗/防御率2.10/175回2/3/158奪三振
2014年(広島):27登板/11勝9敗/防御率2.60/187回0/3/161奪三振
2015年(広島):29登板/15勝8敗/防御率2.09/206回1/3/175奪三振
MLB
2016年(ドジャース):32登板/16勝11敗/防御率3.48/175回2/3/179奪三振
2017年(ドジャース):29登板/13勝6敗/防御率4.22/134回1/3/140奪三振
2018年(ドジャース):39登板/8勝10敗/防御率3.81/125回1/3/153奪三振
2019年(ドジャース):37登板/10勝8敗/防御率4.04/153回2/3/169奪三振
2020年(ツインズ):11登板/6勝1敗/防御率2.70/66回2/3/80奪三振
2021年(ツインズ):21登板/6勝5敗/防御率4.66/106回1/3/113奪三振
2022年(ツインズ):0登板/—/—/—/—(MLB登板なし)
2023年(ツインズ):21登板/6勝8敗/防御率4.23/104回1/3/117奪三振
2024年(タイガース):29登板/3勝7敗/防御率6.09/112回1/3/96奪三振
2025年(タイガース):7登板/0勝0敗/防御率7.88/8回0/3/8奪三振
マエケンの”凄さ”
- コマンドと高さ管理
四隅のエッジに投げ切る精度。高めは直球、低めは変化球の高さルールが徹底していて、四球で崩れない=長いイニングを設計できた。
- 2枚看板のスライダー
縦に落とす“空振り用”と、カット気味の“小さいズレ”の二種類。同じ腕の振り・同じ見え方から終盤だけ分岐するので、打者は絞れない。
- 直球の見せ方(トンネリング)
球速自体は超速球派ではないけれど、直球→変化球が途中まで同じレーン。見せ球→決め球の3球シナリオが上手く、凡打・空振りを取り分けられた。
- “一発を避ける”ゾーン設計
低めのスプリット/チェンジ系でスト→ボールを作り、甘い高さを踏まない。被本塁打が少なく、最大失点を抑える投球だった。
- テンポと省エネ
クイック・牽制・バント処理が速くて上手い。走者を出してもテンポを落とさないから守備も締まる=球数を増やさずイニングを稼げた。
- フォームの再現性
着地でブレーキ→骨盤→胸→腕の順がブレない。毎球の“出どころ”が一定で、日による波が小さい=シーズン通して計算できる。
- 大舞台の運用力
先発でも救援でも役割最適化して結果を出せる。球数・配球をその日の球威に合わせて微調整する“引き出し”が豊富。
全盛期のマエケンからの変化
現在のマエケン(2024–25)は、全盛期(NPB2010–15+MLB2020)と比べて次の変化が目立ちます。
- 球速・フォームの波
2025年序盤はフォームの崩れもあって直球の球威が落ち、結果も悪化(DFA→放出)。一方で夏以降は3Aでフォームを“縦振り”に戻し、最速94.2mphまで回復した試合も報じられています。=「悪い→立て直し」の振れ幅が大きい。 - 役割と耐久性
全盛期は先発として長いイニングを安定供給(2020年は2.70 ERAでサイ・ヤング投票2位)。対してここ2年は短い回の登板や配置転換→DFA→マイナー再契約と、役割が不安定。2024年6.09 ERA、2025年MLBでは7.88 ERA(7登板)と結果も揺れました。 - 球種配分のシフト(速球依存↓/非速球↑)
2025年はスプリット系36%+スライダー35%に対して、フォーシーム19%という配分。全盛期の「直球×スライダーを軸に見せ球→決め球」の設計から、非速球比率の高い“かわす配分”寄りにシフトしています。 - コマンド(四球・エッジ精度)の低下→修正途上
2025年MLB短期成績では四球が増えて苦戦(BB%高止まり)。ただし3Aではフォーム修正後に内容改善(QS相当を重ねる)→ヤンキースとマイナー契約で再浮上を狙う流れ。=コマンドは“戻し途中”。 - “設計で勝つ”長所は健在だが、再現性が課題
全盛期の強みだった同じ見え方(トンネリング)→終盤の分岐は今も活きる一方、日ごとの出力差が結果に直結。フォームが縦振りにハマった試合ではゲームメーク力が復活する、という“当たり外れ”が大きくなっています。
マエケンを獲得しそうなNPB球団
ざっくり結論:最有力は巨人。次点でヤクルト/DeNA、ダークホースでオリックスや古巣・広島という並びが現実的です。根拠は「一次報道で“調査着手”が出ているか」「資金力/先発補強ニーズ」「本人の復帰表明の確度」で整理できます。
本命
- 巨人:主要紙が“獲得調査”に入っていると報道。資金力・先発不足の補強ポイントとも合致。ベテラン層(田中将大ら)との相性面も語られています。
有力候補
- ヤクルト:首都圏球団として名前が挙がり、調査入りの報。先発の柱をもう1枚欲しい事情とも一致。
- DeNA:同じく“調査”報道の対象。識者コメントでも候補に挙がりやすく、ローテ強化のニーズとマッチ。
期待されるNPBでの活躍
結論から言うと、先発ローテの“ゲームメイカー(No.2〜3格)”として、イニングを安定供給しながら勝ち星を積むタイプの活躍がもっとも現実的です。理由と期待像を手短に。
期待できる役割
- QS量産の軸:四隅を突く制球とスライダーの使い分けは健在。NPBの打者/球場サイズでは「長打を減らす設計」がより効きやすく、6〜7回2~3失点以内のゲームメイクを積みやすい(=QS)。
- ローテ安定化+若手の手本:配球設計・牽制・フィールディングまで含めた総合力で、チーム全体の失点設計を下支え。登板間隔が取りやすいNPBの運用とも相性が良い。
- 二桁勝利の現実味:援護と守備次第ですが、年間を通じて先発枠を守れれば二桁勝利~チームの勝ち試合を増やすタイプの貢献が見込めます(「最優秀防御率を狙う剛速球型」より“取りこぼさない”タイプ)。
根拠(最近の事実ベース)
- 本人が2026年のNPB復帰を明言:2025年9月にMLB.comの取材で「来年は日本に戻る」と表明。復帰の前提は固まっています。
- 球威は一定程度回復傾向の報道:2025年夏、3A登板で最速約94マイルを計測とMLB.com日本語版。フォームを立て直しての見通しは明るい。
- MLBでの不振→再調整を経ての帰還:2024年はDETでERA6.09、2025年は序盤にDFA→Cubsとマイナー契約→ヤンキース傘下入りと再調整の流れ。=“米球界仕様”で苦戦しつつも再構築を進めての帰国。
リスクと見極めポイント
- 耐久性:年齢相応の疲労管理は必須。登板間隔を適切に取り、「球威より精度」運用がハマれば問題は抑えられるはず。
- 立ち上がりのコマンド:初回の四隅コマンドが戻っているかが最重要KPI。そこが整えば被本塁打は自然と低下。
- 球種配分:直球比率を無理に上げず、スライダー(大小)+分離系(スプリット/チェンジ)の徹底でNPBに最適化できるか。
ひと言まとめ
「剛で圧倒」ではなく、配球設計×制球×守備力で“試合を壊さない先発”として勝ちを積む——これがNPB復帰後のマエケンに最も期待できる姿です。土台(復帰意思・近況の球威回復)は整っており、あとは運用と健康管理の勝負です。
